時間の有効活用

①タイムマネジメントのポイントは「時間活用のPDCA」

「パワーアップ手帳術」を構成する最後の要素は、いわゆるタイムマネジメントです。「タイムマネジメント」というと一般に様々な書物で非常に多くの知見やノウハウが語られています。 パワーアップ手帳術では、プロセスマネジメントのための時間の有効活用にフォーカスします。

時間の有効活用の基本は、自分の持ち時間の性質を明らかにした上で、個々の行動計画をその時間ごとの性質に合わせて割り振る方法です。そして、その時間に獲得すべき目標を決定することが何より重要と考えます。時間当たりの計画があるから結果が確認でき、次の改善につなげることができます。まさに時間活用のPDCAサイクルをまわしていくとも言えます。

手帳で一週間の計画を立てるときに、取り組むべきアクションのリストから、どの日のどの時間にどのアクションを当てはめるのか。例えば移動時間の間に「検討すべきテーマ」を設定できれば、帰社後のデスクワークの密度を更に濃くすることができます。同じ1時間でも、こうした効果的な時間活用をしているか否かで一日の生産性が大きく変わってきます。個々の時間に何をなすべきか明瞭にすることが大切です。

②朝、午前中、午後の使い方

一日の中での時間の使い方も改善点がみつかります。一般的に朝一番、午前中は能率があがりますが、昼食後はおなかもみたされて次第に能率が下がるといった経験を持つ方も多いのではないでしょうか。したがって、何かを考えたり、検討したり、重要な交渉をする仕事は、午前中にすると良いです。特にここ一番、集中して仕事したいと思ったら、前の日に早く寝て、いつもより1時間はやく出社してみましょう。3時間4時間残業するより、よっぽどはかどります。大切な会議や商談は午前中昼まえまでに行うと良いです。また、午後は何か突発事項でスケジュールが変わるの可能性も高くなります。また、午前中に検討したことなら、その日のうちに対処することもできます。

そして午後は、定形の仕事、ルーチンの仕事、人間関係的な仕事がよいでしょう。朝からメールばかり見ていていざ取り掛かるころには昼前なんてNG。朝のメールは、重要なもの、緊急なものだけ目を通し、残りは午後にまわしましょう。加えて、夜にも必ずプライベートの予定を入れます。ダラダラ残業や付き合い酒は予定を入れることでブロックできます。

③コアタイムの設定で能率アップ

1日の活動の中で最も大きな成果を生む重要な時間を「コアタイム」といいます。仕事の形態や個々人の環境で様々でしょうが、例えば朝の2時間が最も集中できる時間帯ということがあります。この場合、毎日朝の2時間はコアタイムとして、時間の割り当てを確保しておき、重要な業務を割り当てるようにします。

1日の行動計画の中で、そのコアタイムに行う仕事だけは何としてでも予定した目標を達成するように心がけます。コアタイムは業種や職種によって異なりますが、最も集中できる時間帯、能率があがる時間帯を考えてみましょう。企業によっては10:00~11:00の間はたとえ顧客であっても緊急以外の電話を取り次がずに業務優先に行っているところもあります。

営業活動でも例えば、午前11:00~12:00を午前のコアタイムに設定することができます。午前中の昼休みまでの1時間は、面談のための準備が十分にとれる時間であり、面談の終了が12:00で区切られいるため、先方も次のアポイントに気を取られず安心して商談にのぞめるというメリットがあります。また、商談が長引いても、場合によってはそのまま昼食をとりながらの商談に持ち込めます。さらにこの時間帯に行った商談は、内容の確認や、変更等の連絡が当日の夕刻に電話で済ますことができるなど能率的な時間設定といえます。

また、午後一番もコアタイムとして設定できます。

13:30~14:30は午後最初の1時間であり、昼食が遅くなったり、先方が外出からもどるのが遅れる場合などを想定して30分余裕をもってアポイントをいれることがポイントです。この30分で準備時間が確保できます。やはり商談内容の確認や、変更等の連絡が当日の夕刻に電話で済ますことができる時間帯でもあります。また、終業前1時間も、その後のアポイントがなければやはりゆっくりと商談することができる場合もあります。

事務系の仕事でも同様にコアタイムを設定することが効率的な時間管理につながります。

特に予定がなくとも、毎日決まった2時間はコアタイムとして仮の予定を設定し、時間の割り当てを確保しておくといいでしょう。こうすることで、1日の仕事にメリハリが生まれ、重要な業務に集中することができます。

④自分のバックアップチームをつくる

個々の時間を効率よく活用することは重要ですが、それだけでは十分ではありません。自分の持ち時間だけでは解決できない仕事もかならず発生します。そんな時のために、いわば自分のバックアップチームを作りましょう。自分の持ち時間が足りないなら、「時間を持っている人」に分けてもらえばよいと考えます。

すでに、「優先順位づけ」のところで述べたように、煮詰まった仕事はその場で中断して、「人、もの、かね、情報」といった側面で何が不足しているかを検討します。その不足分を補ってくれる人が「時間を持っている人」であり、自分をバックアップしてくれるチームです。

同じような「提案」ですでに問題を解決している人はいないでしょうか。特定の専門知識を持っている人が必ず社内にいるはずです。「販売促進費」の制約条件は上司にしてみれば簡単な「検討事項」かもしれません。不足している「知識やノウハウ」があったとしても、こうしたバックアップチームを持っている人は一瞬にして問題を解決してしまうものです。

これも時間の有効活用の重要なポイントなのです。

⑤クリエイティヴな時間を作り出す

時間を有効活用することは、最終的に、自分でコントロールできる時間の比率を増やすことにつきます。自分でコントロールする時間とは、自分が自分の問題解決のために主体的に取り組む時間ともいえます。これは、いわば「付加価値の高い仕事のための時間」です。すでに定められた課題だけではなく、複数の取り組み課題を自分で掌握し設定していくことです。想定外の緊急事項を減らし自分がコントロールできる領域をふやし、将来にむけた、付加価値の仕事の領域をふやしましょう。そうしたクリエイティヴな時間を作りだすことに注力してください。毎週1時間でも2時間でもそのための時間を割り当てるよう集中してみましょう。中・長期的に必ず仕事のペースをコントロールできる時間が増えてくるはずです。